上皇后美智子さまのお言葉です。
親は子供が産まれるときには、無事に生まれてくることだけを願うのに、成長するにつれてもっともっとと子どもたちに大きな期待をします。期待することは大切なことだけど、期待が大きすぎると、いつのまにか子どもを自分の思い通りに育ってほしいと願い、時に過干渉になってしまいます。また、子どもたちが苦労しないようにと、『幸せな子』を育てることに一生懸命になりすぎて、子どもを苦しめていないでしょうか。
『幸せになれる子』を育てるとは、自分の置かれた境遇がどんなに苦しくても、また耐え難い出来事が起きたとしても、自分で考え行動することができる人になれるようにと、忍耐強く見守ることではないでしょうか。「転ばぬ先の杖」を与えることが『幸せになれる子』を育てることではないと思います。
自分の不安や心配を取り除くために、「いい子」「親の言うことをよく聞く子」を子どもに求めていませんか。「子育て」に終わりがないように、「自分育て」も終わりがないです。子どものおかげで自分自身育ててもらっているように思います。親として、自分自身が『幸せになれる人』になることが、『幸せになれる子』を育てることだと、美智子さまはおっしゃっておられるのではないでしょうか。合掌
釋孝顕